私は別に、プロのコンサルでもなければ、たかだかフリーランス3年なので偉そうなことは言えません。しかし、「あ。これを意識してから明らかに流れが変わった」と思うことがあるので同じことで悩んでいる方や、記録として、そして今の私から1年目の私へのメッセージとして書きます。

目次

  1. 大人なんだから、仕事は甘くはないんだから。そんな言葉が怖くて、嫌な仕事で生計を立てている限り、<理想とする仕事はやってこない>。
  2. ある2つの要因が交わった時、フリーランスの幸福度は減る。
  3. デザインがどうとかいいんだよ言われた通りに作れよ!とあるお客様に言われて気がついた。『仕事こそ我慢をするな!』
  4. 仕事は基本的には断らない。でも、自分と相性の悪い仕事は、正直にそれをお客様に伝えて、一緒に「次」を考えるべきだ。
  5. 私が楽しかった仕事は次に繋がる。

大人なんだから、仕事は甘くはないんだから。
そんな言葉が怖くて、嫌な仕事で生計を立てている限り、<理想とする仕事はやってこない>。

私がフリー1年目に掲げた理想を先に書きます。
・週4日程度がっつり働き、のこり2日程度はゆったり働き
 何もしない日を月3日は設ける。(体が丈夫じゃない)
・夜は読書と温かい飲み物を飲む時間を。
・欲しいと思った本を我慢しなくてもいい生活。
 読書時間の確保と金銭的な感覚。
・生きるために必要な仕事とお金にはならいないけれど、
 引き受けたい仕事を引き受ける余裕がある生活。

・売り上げ500万〜600万程度にし、その範囲でいきていける生活。
(そのくらいの収入が欲しいという意味と、そのくらいに収まる生活がシンプルでいいという理想)

現在は、全てはクリアしていないにせよ、いくつかクリアしたものもあり、徐々に理想の背中が見えてきた状態。

しかし、1年目はどうだったか。
振り返る1年目は「1年目にしては思っていたよりも仕事がきた。・・けれど理想には程遠い。」その一言に尽きます。フリーになって全く仕事がないという人に比べればありがたい環境にあったと思います。
「休みがない」「仕事がなくなるのではという不安に常に襲われている」
そんな1年でした。
どうして1年目と3年目に違いが出たのか。その理由は仕事への意識の変化が大きいと考えています。

ある2つの要因が交わった時、
フリーランスの幸福度は減る。

今思えば見積書が甘いとか制作技術の問題とかそういう細かな点ではなく、仕事への基本的な物事の考え方として私の敗因は主に2つありました。
(1)単価を低く設定しすぎた。
この時の私の仕事の単価は<全て>すごく安かったんです。少しでも低価格でまずはこの仕事を知ってもらおう!私なんかがいっぱいもらったら申し訳ない!そんな気持ちからです。しかしこれはいい結果だけを読んでくれるとは限りませんでした。
→この話は別途詳しく書きます。
(2)嫌なことを我慢しまくった。
そしてもう一つが今回の本題です。ここでいう嫌なこと、というのは、ちょっとした手間が発生するとかそういうことではなく、クライアント様との価値観の違いのようなものだと思っています。締め切りが急とかはあまり気にならないのですが、打ち合わせの会話テンポなどの相性が悪いと大抵辛い。

この2つが交わった時「仕事も私生活も<満足度が減る>」ということを体感しました。
「仕事だから我慢しなきゃ」からスタート
→お客様の考えや内容がゆきしろ屋が想定していない仕事を安く請け負う
→基本が楽しくどんどんやろう!ではなく「頑張らなきゃ死ぬ」から始まる
→お客様とのやりとりで何かあると容易くモチベが下がる
(お客様からの返信が滞る、指示が途中で変わる、など)
→頑張って気持ちを立て直しても
→お客様も安さ重視で依頼しているため追加費のゆとりがないことが多く、交渉ができない。

→結果納期と価格重視だけの何かが出来上がる。

デザインがどうとかいいんだよ言われた通りに作れよ!とあるお客様に言われて気がついた。
『仕事こそ我慢をするな!』

1年目、とある紙面の製作最終稿段階(印刷所に入れる一歩手前)でお客様から大きめの見取り図を入れて欲しいという要望が上がりました。それは明らかに紙面の流れに沿っておらず、しかも大きいため、入れるとなると入稿までのスケジュールにも変更がかかりますし、説明文章などが必要でした。「これを入れるなら、ながれを組み直したほうがいい。それが無理なら現段階では厳しい。」というお話をするために、2パターンのスケジュール案をもってお客様のところに行った時、お客様は私の説明を遮って「デザインがどうとかいいんだ!お前の仕事はこれを言われた通りに入れることだろう!色がどうとか、流れがどうとかそういうのはいい!」そう言われたんですね。

もちろん、私の仕事はデザインでPC作業代行ではないから、ここで突っぱねてもよかったのですが、でも、多分この問題の本質は突然ここで始まったのではなく、契約成立からこの時までお互いに悶々を抱えていたためだったと思っています。

ではそれはなぜか。実はご依頼段階〜作業初期での「違和感」を感じていたにも関わらず私が指摘しなかったから、です。お客様の言っていることが明らかに想定していたフローと異なる。しかも、こちら(制作側)に対して度々威圧的な態度であったり、契約以上のことを求めてくる。でもそれを「仕事なんだから我慢」「仕事をもらえるのはありがたいこと」で押し殺してきた……。そしてこの時の私も、なんと「我慢」したのです。(今思うとバカでしたがそれだけ、下手に出なければと思ってたんです)

その結果……残ったものは時給500円程度のお金と、『もっとなんとかできたのでは』と後悔の残る発行物だけでした。

このお話、不幸なのは私ではありません。私だけでなく、お客様にとっても多分気持ちのいいお仕事ではなかったのではないかと思うのです。


仕事は基本的には断らない。
でも、自分と相性の悪い仕事は、正直にそれをお客様に伝えて、一緒に「次」を考えるべきだ。

さて、3年経った今、私のところにあるお客様の事業内容はどれも楽しそうなものばかりで、携われたことに心から喜びしかありません。そりゃあ中には、大変なこともトラブルが起きることもたくさんあります。
それでも、「素敵だ」と思えるのは私がお客様を自然と感謝できる関係だからだと思うからです。
この「えー!こんな素敵な作業に私が関わっていいんですか!?いやもう金額とかどうでもいいからやりたいっす!」っていう気持ちがファーストか「もらえるだけでもありがたい、安くても我慢してやります」という気持ちが先に来るか、その差は「私と客様との関係性」に他なりません。

目に見えづらいもの・付加価値を売るデザインなんて特に。

よく、独立してからは仕事を断るな!とか言いますけれど、
断るんじゃなくて「あ。私とは相性が良くないな。」と思った仕事はちゃんと「私には難しい、だけれど〇〇の方法ならできると思いますよ。」とはっきり言う勇気がいるんだと思います。仕事を断るな=全部引き受けろではないんですよね。

私が楽しかった仕事は
次に繋がる。

2年目、
いくつかあるうちの「楽しい」と思った仕事を全力でやったところ、一定の期間から「〇〇さんの紹介できました」「〇〇で武藤さんが作ったポスターを見て依頼したいと思いました」「〇〇の第二弾お願いします!」的な感じで、自然と「楽しいお仕事の割合」が増えていったんです。今年はほぼそのパターン。

一方で、我慢して我慢して仕上げた嫌な仕事は、大抵、次はありません。もしあっても、「あこれはウチではきついわ」って言う仕事ははっきりお伝えすることを意識しだしてからは楽しい仕事の割合が増えていきました。すると、本来は我慢我慢で使っていた仕事時間が楽しい楽しい!で埋まるようになります。
逆に言えば、「我慢我慢・・」と思っていた仕事時間が続く限り、楽しい仕事を引き受ける余裕はなかったと言うことでもあるのです。楽しいお仕事はそれだけで「もっとこうしたい!」と自然と思うようになります。その試行錯誤する心の余裕が、満足するものにつながって、また楽しいことに繋がる。このサイクルを作る時間的物理的余裕を生み出すためにも、嫌なことはNOと言うべきなのだと思います。